AndroidからiPhoneへの機種変更を考えているとき、最も不安になるのがデータの移行ではないでしょうか。「大切な写真や連絡先が消えてしまったらどうしよう」「手順が複雑で失敗しそう」「どのデータが移行できるのか分からない」といった心配を抱えている方も多いはずです。
実際、AndroidとiPhoneは異なるOSであるため、データ移行には一定の制約や注意点があります。しかし、正しい手順と方法を理解していれば、初心者の方でも安全確実にデータを移行することが可能です。
この記事では、AndroidからiPhoneへのデータ移行について、以下の内容を詳しく解説していきます:
この記事で分かること
- 移行可能なデータの種類と制限事項の完全理解
- Apple公式のMove to iOSアプリを使った最も確実な移行方法
- GoogleアカウントやiCloudを活用した代替移行手段
- 移行後の初期設定から各種アプリの設定まで
- よくある失敗パターンとその対処法
- データ移行に関するよくある疑問への回答
筆者自身、過去に複数回のAndroid→iPhone移行を経験し、さまざまな移行方法を試してきました。その経験から得た実践的なノウハウと、失敗を避けるためのポイントを分かりやすくお伝えします。
データ移行は一度きりの重要な作業です。この記事を読んで正しい知識を身につけることで、安心して新しいiPhoneライフを始められるはずです。それでは、具体的な移行方法を順番に見ていきましょう。
AndroidからiPhoneに移行できるデータの種類と制限
AndroidからiPhoneへのデータ移行を始める前に、まず「何が移行できて、何が移行できないのか」を正確に把握しておくことが重要です。
完全移行可能なデータ一覧
以下のデータは、適切な方法を使用すればほぼ完全にiPhoneに移行することができます:
基本的な個人情報
- 連絡先(電話番号、メールアドレス、住所など)
- カレンダーの予定とリマインダー
- メールアカウントの設定と履歴
- 写真と動画(HEIC形式に変換される場合あり)
Googleサービスのデータ
- Gmailのメールと設定
- Googleカレンダーの予定
- Google Photosの写真・動画
- Googleドライブのファイル
- Googleコンタクトの連絡先
一部のアプリデータ
- WhatsApp(専用の移行ツール使用時)
- Microsoft Office関連データ
- Dropbox、OneDriveなどのクラウドストレージ
制限があるデータと代替手段
一方で、以下のデータには移行時に制限があります:
音楽データ Android端末で購入した音楽は、Google Play MusicやYouTube Musicからの移行が基本となります。iTunes Storeで再購入が必要な場合もあるため、事前にApple Musicへの移行可能性を確認しましょう。
アプリとアプリ内データ Androidアプリの多くはiPhoneでも利用可能ですが、アプリ内のゲームセーブデータや設定は個別に移行手続きが必要です。特にゲームアプリは、事前にデータ連携設定を行っておくことが重要です。
LINEのトーク履歴 従来は移行不可能でしたが、現在はLINE公式の移行機能を使用して限定的に移行可能です。ただし、操作手順が複雑なため、別途詳細な確認が必要です。
移行できないデータの事前確認
以下のデータは基本的に移行できないため、事前の対策が必要です:
- Android固有のウィジェット設定
- 一部のAndroid専用アプリ
- DRM保護された音楽・動画ファイル
- システム設定(壁紙、通知設定など)
これらのデータについては、移行前にスクリーンショットを撮影したり、必要に応じてクラウドサービスに手動でバックアップを取っておくことをお勧めします。
【推奨】Move to iOSアプリを使った移行方法
AndroidからiPhoneへのデータ移行で最も確実で簡単な方法が、Apple公式の「Move to iOS」アプリを使用することです。このアプリはAppleが開発した無料ツールで、Wi-Fi環境があれば誰でも利用できます。
事前準備と必要な環境
Move to iOSを使用する前に、以下の準備を整えましょう:
必要な環境
- Wi-Fi接続環境(両端末が同じネットワークに接続可能)
- Android 4.0以降のスマートフォン
- iOS 9以降のiPhone(新品または初期化済み)
- 十分なバッテリー残量(両端末とも50%以上推奨)
事前に行うべき作業
- Androidスマートフォンの空き容量確保
- 移行したいデータの整理と確認
- 重要なアプリのアカウント情報確認
- Wi-Fi環境の安定性確認
移行作業は中断できないため、時間に余裕があるときに実行することが重要です。
Move to iOSアプリの詳細手順
実際の移行手順を段階的に説明します:
Step 1: アプリのインストール Android端末でGoogle Play StoreからMove to iOSアプリをダウンロードしてインストールします。
Step 2: iPhone側の初期設定 新しいiPhoneの電源を入れ、初期設定を進めます。「Appとデータ」画面で「Androidからデータを移行」を選択してください。
Step 3: 移行コードの確認 iPhone画面に10桁または6桁の移行コードが表示されます。このコードを正確に覚えておきます。
Step 4: Android側での接続 Android端末でMove to iOSアプリを起動し、利用規約に同意後、iPhone側で表示された移行コードを入力します。
Step 5: データ選択と移行実行 移行したいデータを選択します(連絡先、メッセージ、写真、動画、ブックマーク、メールアカウント、カレンダーなど)。選択完了後、移行を開始します。
移行時間の目安と注意点
移行時間はデータ量によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです:
- 基本データのみ(連絡先、カレンダー等):15-30分
- 写真・動画を含む場合:1-3時間
- 大容量データ(10GB以上):3時間以上
重要な注意点
- 移行中は両端末を充電器に接続しておく
- Wi-Fi接続を中断しない
- 他のアプリを起動しない
- 移行完了まで端末を操作しない
Move to iOSアプリを使用した移行は成功率が高く、初心者の方にも最もお勧めできる方法です。
Googleアカウント経由でのデータ移行手順
Move to iOSアプリが何らかの理由で使用できない場合や、より柔軟にデータを移行したい場合は、Googleアカウントを活用した移行方法が有効です。
Googleアカウントでの同期設定
まず、Android端末でGoogleアカウントの同期設定を確認し、必要なデータが確実にクラウドに保存されているかチェックします:
Android側での同期確認手順
- 設定アプリを開く
- 「アカウント」または「アカウントと同期」を選択
- Googleアカウントをタップ
- 同期項目を確認(連絡先、カレンダー、Gmail、写真など)
- 必要に応じて手動同期を実行
同期が完了したら、iPhone側でも同じGoogleアカウントを設定します。
連絡先・カレンダー・メールの移行
iPhone側でのGoogleアカウント設定方法:
設定手順
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「メール」を選択
- 「アカウント」→「アカウントを追加」
- 「Google」を選択してサインイン
- 同期したい項目を選択(メール、連絡先、カレンダー、メモ)
この設定により、Googleアカウントに保存されているデータが自動的にiPhoneと同期されます。
写真・ドライブデータの移行
Google PhotosとGoogle Driveのデータは、iPhone用アプリをインストールすることで簡単にアクセスできます:
Google Photos移行手順
- App StoreからGoogle Photosアプリをダウンロード
- Googleアカウントでサインイン
- 必要に応じてiPhoneへ写真をダウンロード保存
Google Drive移行手順
- App StoreからGoogle Driveアプリをダウンロード
- Googleアカウントでサインイン
- 必要なファイルをiPhoneに保存またはオフライン利用設定
Googleアカウント経由の移行は段階的に実行できるため、時間をかけて確実にデータを移行したい方に適しています。
iCloud・iTunes経由での移行方法
AndroidからiPhoneへの移行において、直接的なデータ移行が困難な場合は、iCloudやiTunesを活用した間接的な移行方法も選択肢となります。
iCloudを活用した移行方法
iCloudは主にiPhone設定後のデータ同期に使用しますが、一部のデータは事前にiCloudへアップロードしておくことで移行を簡素化できます:
活用可能なiCloudサービス
- iCloud Drive:ドキュメントファイルの保存
- iCloud Photos:写真の一括管理
- iCloudメール:新しいメールアドレスとしての活用
- iCloudカレンダー:既存スケジュールとの統合
移行時の活用方法
- PCまたはWebブラウザでiCloud.comにアクセス
- Apple IDでサインイン
- 必要なデータを手動でアップロード
- iPhone側で同じApple IDを使用してデータを同期
この方法は手動作業が多くなりますが、細かなデータ管理が可能です。
iTunesでのバックアップ活用
iTunesは直接的なAndroid→iPhone移行には対応していませんが、一時的なデータ保存場所として活用できます:
iTunes活用例
- 音楽ライブラリの統合管理
- PCを経由した写真・動画の移行
- アプリケーションのダウンロード管理
注意点 iTunes for Windowsは2019年以降更新が停止されているため、最新のmacOSではMusic、TV、Podcastアプリを個別に使用する必要があります。
手動移行が必要なデータ
以下のデータは自動移行ツールでは対応できないため、手動での移行作業が必要です:
手動移行推奨データ
- 特定のアプリ内設定
- カスタム着信音・通知音
- 個人作成のドキュメント
- スクリーンショット・保存画像
これらのデータは、クラウドストレージ(Dropbox、OneDrive等)やメール添付を活用して個別に移行しましょう。
移行後に必要な初期設定と確認事項
データ移行が完了した後は、iPhoneを快適に使用するための初期設定と動作確認が重要です。
Apple IDとiCloudの設定
iPhone利用の基盤となるApple IDとiCloudの設定を行います:
Apple ID設定の確認事項
- 正しいApple IDでサインインできているか
- 二段階認証の設定は適切か
- 支払い情報の登録・更新は必要か
- ファミリー共有の設定は適切か
iCloud設定の最適化
- 同期するデータの選択(写真、連絡先、カレンダー、リマインダー、Safari、ホーム、Siri、キーチェーン等)
- iCloudストレージの容量確認
- 必要に応じてストレージプランの変更
アプリの再インストールと設定
移行されなかったアプリや設定の復旧を行います:
必須アプリの再インストール
- App Storeから必要なアプリをダウンロード
- 各アプリにログイン・初期設定
- 通知設定の調整
- アプリ内課金・サブスクリプションの確認
特に注意が必要なアプリ
- 銀行・金融系アプリ:セキュリティ設定の再構築
- ゲームアプリ:データ連携の確認
- 二段階認証アプリ:バックアップコードでの復旧
各種通知・プライバシー設定
iPhoneを安全快適に使用するための設定調整:
プライバシー設定の確認
- 位置情報サービスの設定
- カメラ・マイクロホンのアクセス許可
- 連絡先・写真へのアプリアクセス
- 広告のパーソナライズ設定
通知設定の最適化
- 各アプリの通知設定
- 通知スタイルの選択
- おやすみモード・集中モードの設定
- 緊急速報の設定
これらの設定は後から変更可能ですが、初期段階で適切に設定することで、より快適なiPhone体験が可能になります。
データ移行でよくある失敗と対処法
AndroidからiPhoneへのデータ移行では、いくつかの典型的な問題が発生する可能性があります。事前に対処法を知っておくことで、冷静に対応できます。
移行途中でエラーが発生した場合
最も一般的なエラーとその対処法
Wi-Fi接続エラー
- 症状:移行中に接続が切断される
- 対処法:両端末を再起動し、Wi-Fiルーターも再起動してから再試行
- 予防策:安定したWi-Fi環境での実行、5GHz帯の使用
移行コード認識エラー
- 症状:Android端末で移行コードが認識されない
- 対処法:iPhone側で新しいコードを再生成し、数字を正確に入力
- 注意点:コードには有効期限があるため、速やかに入力
アプリクラッシュ
- 症状:Move to iOSアプリが突然終了する
- 対処法:両端末のメモリを解放(他のアプリを終了)してから再試行
- 最終手段:端末の再起動後に最初から実行
データが部分的に移行されない場合
写真・動画の移行不完全 Move to iOSで一部の写真・動画が移行されない場合:
- Android端末の写真アプリで「すべての写真」が選択されているか確認
- Google PhotosやDropboxなどのクラウドサービス経由での補完移行
- USB接続でPCを経由した手動移行
連絡先の移行漏れ 一部の連絡先が移行されない場合:
- Android端末でGoogle連絡先アプリの同期確認
- 複数のアカウント(Google、Samsung等)に分散保存されていないか確認
- vcfファイルエクスポート→メール送信→iPhone側インポート
アプリデータの移行失敗 特定のアプリデータが移行されない場合:
- 該当アプリの公式移行機能の有無を確認
- クラウド同期機能を活用した個別移行
- 必要に応じてアプリ開発元への問い合わせ
移行後にアプリが正常動作しない場合
アプリがインストールできない
- App Storeの地域設定確認
- Apple IDの支払い情報更新
- iOS対応バージョンの確認
アプリの動作が不安定
- iOSアップデートの確認・実行
- アプリの最新版への更新
- 端末の再起動・アプリの再インストール
ログイン情報が機能しない
- パスワード管理アプリでの確認
- 二段階認証設定の見直し
- アカウント復旧手続きの実行
これらの問題の多くは、適切な手順と十分な準備によって回避可能です。重要なのは、問題が発生しても慌てず、段階的に対処することです。
よくある質問
Q1: AndroidからiPhoneへの移行は無料でできますか?
A: はい、基本的な移行作業は完全に無料で行えます。Apple公式のMove to iOSアプリも無料ですし、GoogleアカウントやiCloudを使った移行も追加料金は発生しません。ただし、以下の点にご注意ください:
- Wi-Fi環境が必要(データ通信料は自己負担)
- iCloudストレージが不足する場合は有料プランへの変更が必要
- 一部のアプリは買い直しが必要な場合がある
Q2: LINEのトーク履歴は移行できますか?
A: 2021年より、LINEのトーク履歴も移行可能になりました。ただし、以下の手順が必要です:
- Android版LINEでトーク履歴をGoogleドライブにバックアップ
- iPhone版LINEインストール後、同じLINEアカウントでログイン
- 「トーク履歴を復元」を選択してバックアップから復元
注意点として、14日以内にトーク履歴の復元を行わないとデータが削除される可能性があります。
Q3: 移行にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 移行時間はデータ量によって大きく異なります:
- 基本データのみ(連絡先、カレンダー等):15-30分
- 写真・動画を含む(5GB程度):1-2時間
- 大容量データ(20GB以上):3-6時間
Wi-Fi環境の速度や端末の性能によっても変動するため、時間に余裕を持って作業することをお勧めします。
Q4: 移行中にバッテリーが切れたらどうなりますか?
A: 移行中にバッテリーが切れると、移行作業は中断されデータ損失のリスクがあります。対策として:
- 移行前に両端末を80%以上まで充電
- 移行中は常に充電ケーブルを接続
- 可能であれば就寝前など、長時間確保できる時間に実行
万が一中断された場合は、最初から移行作業をやり直すことになります。
Q5: Androidのアプリは全てiPhoneでも使えますか?
A: 多くの人気アプリはiPhone版も提供されていますが、すべてではありません:
移行可能なアプリ
- Google系アプリ(Gmail、Maps、YouTube等)
- SNSアプリ(Twitter、Instagram、Facebook等)
- メッセージアプリ(LINE、WhatsApp等)
- 動画配信アプリ(Netflix、Amazon Prime等)
移行困難・不可能なアプリ
- Android専用アプリ
- 一部のゲームアプリ
- 特定のカスタマイズアプリ
事前にApp Storeで利用したいアプリの有無を確認することをお勧めします。
Q6: 移行失敗時にデータは失われますか?
A: 適切な方法で移行を行えば、データが完全に失われることは基本的にありません:
安全性の確保方法
- Move to iOSアプリは非破壊的移行(元データは保持)
- Googleアカウント同期により元データはクラウドに保存
- 重要データは事前にクラウドバックアップを取得
ただし、移行完了とデータ確認ができるまでは、Android端末の初期化は控えましょう。
Q7: 移行後、Androidスマホはいつリセットして良いですか?
A: 以下の確認が完了してからAndroid端末をリセットしてください:
確認チェックリスト
- 重要なデータがすべてiPhoneで確認できる
- 必要なアプリが正常に動作している
- アカウント情報やパスワードが正確に移行されている
- 二段階認証アプリの移行が完了している
- バックアップとしてクラウドサービスにもデータが保存されている
安全のため、移行完了後1-2週間は元のAndroid端末を保持しておくことをお勧めします。
まとめ:AndroidからiPhone移行の完全ガイド
AndroidからiPhoneへのデータ移行は、正しい知識と手順があれば誰でも安全に実行できます。この記事で紹介した内容をまとめると:
移行方法の選択指針
- 初心者の方:Move to iOSアプリが最も確実で簡単
- 段階的に移行したい方:Googleアカウント経由がお勧め
- 特殊なデータが多い方:複数の方法を組み合わせて対応
成功のための重要ポイント
- 事前準備を怠らない(バッテリー充電、Wi-Fi環境、データ整理)
- 移行可能なデータと制限を事前に把握する
- 時間に余裕を持って作業する
- 移行完了まで元のAndroid端末は初期化しない
- 問題が発生しても慌てず、段階的に対処する
移行後の重要な作業
- Apple IDとiCloudの適切な設定
- 必要なアプリの再インストールと設定
- セキュリティとプライバシー設定の確認
- 各種通知設定の最適化
AndroidからiPhoneへの移行は一度きりの重要な作業ですが、この記事の手順に従って進めれば、データ損失のリスクを最小限に抑えながら確実に移行を完了できます。
新しいiPhoneでの快適なスマートフォンライフを楽しんでください。移行作業でご不明な点があれば、AppleサポートやiPhoneユーザーコミュニティも活用して、安心して移行を進めましょう。

